『ハンニバル』の再視聴感想。

  • しるばーほーく@lemmy.coffee-beanz.comOP
    link
    fedilink
    日本語
    arrow-up
    1
    ·
    edit-2
    11 months ago

    第5話「Coquilles(コキーユ)」……貝殻に盛り付けた料理を呼び習わす。貝殻は開くものなので、殻の中に居るウィルを暗示しているのかどうか。

    冒頭。精神状態が悪化中のウィルは、悪夢のみならず夢遊病を発症し、夜の道路をさまよって警察に保護されたりしている。そんな彼を心配したウィンストン(愛犬)が後をつけてきているのが何とも。眠っている間に屋根の上に立っていたりもするので、危うい。本人も危機意識を抱いたのか、早朝からレクター博士のもとへ。PTSDを指摘されるウィルはやはり何かしら傷を負っているのだろうな、両者とも生まれ育ちにある種の因子があるし。

    「チェサピークの切り裂き魔」を追ううちに、次の殺人事件が発生。そうです、あの『ヴァイキング』に出てきた処刑法「血の鷲(blood eagle)」で殺されている被害者たち。犯人は脳腫瘍患者で処刑を行っている。血の鷲は天使を模したもの。そして天使には性別が存在しないので性器を切り取ったりと中々にえぐい。不眠続きのウィルも目を覚ますレベル。ややあって犯人を特定するものの、犯人自体が血の鷲状態で発見されるという後味の悪さ……。『ヴァイキング』視聴後だと更に味わい深いな。

    その一方で、犯人像を通してジャックがようやく妻ベラの病気に気付く。ステージ4の肺癌である彼女はレクター博士のもとへ通っていて、ジャックを遺してゆく事が耐えきれない。病によってすれ違う夫婦は悲しい……。ラストで弱っているジャックの隣に腰掛けて傍に居るウィル。

    本当、ウィルは優し過ぎるんだ……割と散々な扱いを受けているのにね。前回もアビゲイルにクリスマスプレゼントを用意したりしていたし、優しいんだよな。優しさの中に殺人衝動が潜んでいて、それを巧みに引き出そうとしているのがハンニバル・レクターであるという話なんだよね。

    ……余談だけど、寝起きのガウン姿で前髪を下ろしているレクター博士はずるい。スクショを撮って切り抜いて自前で博士の写真集を作ろうかと一瞬だけ考えてしまった。さすが北欧の至宝。