『ハンニバル』の再視聴感想。

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    11 months ago

    第9話「Trou Normand(トゥルー・ノルマン)」……蒸留酒(主にカルヴァドス)、もしくは小さなシャーベット。メインディッシュの肉料理に入る前の……?

    冒頭からある意味華々しく登場したのは人体タワー(死体のトーテムポールともいう)。シーズン1では最も印象的だった殺人現場でした。2の色見本のアレといい勝負。でも……このタワーを単独で組めるのかどうかというのが、気になって気になって仕方ない。当の人体タワー連続殺人犯に関してはとてもスムーズに片付く。シンプルに書くと、父親の息子殺し。

    ウィルの精神状態は輪をかけて悪化中で、海岸に居た筈なのにいつの間にかレクター博士の部屋にワープしたりしている。悪夢→幻影や幻聴→記憶の欠落というプロセス、他人ごととは思えなくて辛い。そんなウィルを、真綿で首を絞めるように導くレクター博士。生徒たちに講義を行っているかと思いきや、現実には講義室は無人だったりするので、アラーナもウィルには戸惑いを隠せない様子。気に掛けつつも彼の不安定さが障壁になって、友人止まりで居る事を選んでいるから、関係の進展も望めなさそうなのが哀しい……。

    一方、アビゲイルもひどい悪夢を見ており、追い打ちをかけるように社会的経済的な孤立状態になっている。そこに目をつける赤髪の小悪魔・ラウンズ。彼女の商売っ気は割と好きです。更に、アビゲイルが切り裂いて殺害してしまったニコラスの死体まで発見されて、事態は込み入ってくる。ウィルは単独で真実に辿り着き、博士と2人でアビゲイルの父親代わりとして共犯関係へ……この時点で、ウィルは両足を「向こう側」へ踏み込んでしまったのだと感じた。

    ラスト、父親の手伝いをしていた事を告白したアビゲイルを抱きしめるレクター博士。その時の台詞で気になったのは「真の怪物を知ってる」。これはホッブスの事ではない。そう、恐らくそれは……。